深圳の実感

羽田に向かう機内でハーゲンダッツバニラが配られた。

日本では300円前後で売られているけど、中国だと28元くらいらしい。だいたい600円前後。

アイスに28元は高すぎるとベッキーが言っていた。

 

スプーンが1mmくらいしか入らないので外を見ていた。荒天って嘘でしょってくらい晴れ。明るすぎる月が濡れた翼を照らしている。満月に近いか、この前満月が終わったかのどっちかって感じだ。

雲の下は雨なんだろうか。はやくアイスを食べて好きな人に会いたい。


アイスを食べ終わる頃にシートベルトの着用ランプが光った。少し揺れたけど、深圳のタクシーの方が荒い。


滞在中、「ああ、中国にいるなー」みたいな気持ちには一度もならなかった。日本で過ごしているときの延長線上みたいな感じ。起きて食べて仕事して寝る。

水道水飲みたいなーと思うくらい。

旅行や遠出に限らず卒業式も入社式も特別な実感や違和感みたいなものっていつもない。感動して覚えている景色とかない。

ただ、好きな人に好きと言われたときの感触はよく思い出せる。恋愛狂いなだけかも。

色んなことをいちいち覚えていたらストレージがいっぱいになってしまうのでこれでいいと思っている。

楽しいことがあって、寝て、起きたらまた楽しいことがある。たいていのことは忘れてしまってOK。

 

朝5時。明日は午後休だからもう寝なくてもいいかなーと考えているうちに眠りに落ちた。